とり  おしぼりのただしいもちかえりかた

上海飯店というどんなにあがめてもあがめたりない偉大な、あまりにも偉大な中華料理店が近所にあって、わたしはこの上海飯店のおかげで今日までどうにかヘロヘロといきのびてこれたわけですが、この上海飯店でせんじつわたし、いつものハルサメ定食をくいました。そのさい、店のかたすみの雑誌コーナーにある新聞を手にしてテーブルにつきました。さて、食事を終え、満足したところでわたし、店をでることにしました。そのついでに、読んだ新聞は、所定の位置にもどしておこうとおもいました。わたしこうみえても模範的社会人です。それで新聞を手に、雑誌コーナーへいきました。んがっ。そこでわたしは硬直しました。わたしが手にしていたのは、新聞ではなく、オシボリだったのです。いったい、なんだってまた、新聞とオシボリをまちがってしまったのだろう。だいたいああた、新聞とオシボリをまちがえるひとがドコに、ドコにいますか。そしてわたしは、その場で困りはててしまいました。新聞のかわりにオシボリをそこにおいてこようかともおもいましたが、それはやはりハタからみたら理解不能のブキミな行為にうつるです。もしかしたら上海飯店デハイリ禁止処分になってしまうかもしれません。さきほどももうしましたとおりわたし上海飯店のおかげで棲息できているので、それだけは避けたいです。かといっていまさらオメオメと、オシボリをテーブルにもっていき、かわりに新聞をもってくるようなことをしたら、みずからのボケを店内のかたがたにしらしめるようなもので、そのような仕儀にもおよべません。進退きわまる、とはかような状況をさす言葉ではないかとおもいました。それでわたし、けっきょくどうしたかというと、なにくわぬかおをしてオシボリを上着のポケットにおさめ、そのまま勘定をすませて店をでたのでした。いや、危機一髪でした。

余談:そんなわけでわたし、おしぼりをしぼるのなんかもとくいです。ってまえの話のつづきなんだけど。ほんとに余談だな。

[22,03,2000]