とり  WMZN2

→さあきょうはなんの話をしよう? みんな、きのうの夜はよくねむれたかい? じつをいうとね、おれはなかなかねむれなかったんだ。ねむれないとき、みんなはどうする? 羊をかぞえる? それもひとつの手だけれど、そんなありきたりのことをしていちゃラジオ局の仕事はつとまらない。どうせかぞえるんなら、もっとこころがうきうきするものをかぞえようとおれはかんがえた。それで、処女をかぞえたのさ。ベッドのなかでね。どうだい、うきうきしてきそうだろう? これはいいアイディアだ、そうかんがえて、かぞえてみた。
「処女がひとり、処女がふたり、処女が三人‥‥」
そうしたら、どうなったとおもう? そうなんだ、興奮して、ますますねむれなくなっちゃったのさ。

→というわけで、みんなにアドバイスがある。どうかよくきいてくれ。ねむれない夜にベッドのなかで、処女をかぞえたりはしちゃいけない。水着の女の子もいけない。はだかの女の子だって、もちろんいけない。してみると、羊をかぞえるっていうのは、あれはあれで、むかしのひとの知恵なんだね。羊をかぞえて興奮するわけなんてないから。きのう、ひとつおれはりこうになったよ。それからは、いったいなにをかぞえたらすぐにねむりにつけるかをかんがえた。やすらかで、あたたかそうで、なにより興奮しないもの。猫や、オットセイや、ホットドッグ。いや、ホットドッグはだめだな、おなかがすく。たべものはだめだ。湯船につかったふとった男なんていいかもね。湯船につかったふとった男がひとり、湯船につかったふとった男がふたり‥‥。やっぱりだめだ、かぞえづらい。もっとシンプルで、平和ななにか。そうだなあ‥‥。かんがえてるうちに、いつのまにかねむってたよ。ぐっすりね。だからきょうからしばらく、おれは、ねむるときになにをかぞえるかをかんがえながらねむりにつくことにするよ。

→じゃあ曲にいこう。リトル・フィートで「All That You Dream」。ねむるにはまだはやい。

[23,10,1999]